投稿者: yokoi

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フランス語で「Pere」は神父・父という意味 「ラバ神父」という名のラムであります。

カリブ海フランス領マリーガラント島のラムで、この島では未だ刈り取ったサトウキビを運ぶのは水牛に引かれた荷車を使うなど小さくてほのぼのとした田舎の島でございます。

さらにラムの仕込み水には雨水をそのまま使用、製造中もおじさんが手やその辺の棒でぐるぐるかき回してたりと、19世紀のような作業をそのまましていると話題、逸話の多い蒸留所でありますが、それが数字や既成概念にとらわれない味わいに加味しているようで非常に美味しいと熱狂的なファンが多く、デーブ・ブルーム氏が著書『RUM』の中で「クリーン&ヘビー、リスペクト」と絶賛し、 その後「漫画レモンハート」に取り上げられたりもいたしました。

ストレートな味わいのブランも人気ですがそれをさらに熟成させたこの1985、試さずにはいられませんね(笑)

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カリブ海フランス領グアドループの“ドメーヌ・ド・クルセル”はかつて最上級のラムを生産していた今は亡き幻の蒸留所であります。

当初の蒸留所は1964年閉鎖、しかしその後当時のオーナーであったアメデ氏はサント・マルト蒸留所へ蒸留器を移設して、いつまでかは分かりませんがラムを生産していたようであります。
原酒は1998年頃までグアドループで保管されていたようでありますが、どういう経緯かその後、樽はお隣マリーガラント島へ移送されさらに熟成を続けているところを発見されました。

1972年蒸留2011年瓶詰39年熟成であります。

モルトと違いカリブ海周辺ではその熱い気候からエンジェルシェアが年間7~10%あります。(モルトは2、3%)
もし100樽あったとしたら15年の熟成で約20樽ほどに減少してしまうのです。
なのでフレンチラムの世界では20年クラスの長熟ものでもなかなか目にすることはできません。

いかに39年熟成が凄いことかわかります。

奇跡との出会い、いかがですか。

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カリブ海のフランス領グアドループ島のロングトー蒸留所のラムでございます。

1895年創業

カルケラとは元々いた原住民インディオが島につけていた島名に由来いたします。

そしてこちらのボトル、カルケララムの最高級品になりエレガントなデキャンタボトルに詰められた限定版シリアルナンバー入りのプレミアムラムでございます。

1493年3月にグアドループ島を発見した探検家のクリストファー・コロンブスを称えるためにリリースされたものです。

芳醇な香りと非常に複雑な味わいが続きます。

コロンブスやその頃の情景に想いを馳せながら飲みたいですね。

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アイヨグループ傘下の蒸留所で今はシモン蒸留所より原酒の供給を受けておりますが非常に熟成に力を入れ変化を見せる銘柄であります。
アグリコールラムでは珍しいシェリー樽フィニッシュのボトルやアイラ原酒を瓶詰したボトラーものの銘柄スモークヘッドの樽をフィニッシュに使用したボトルなど色々と革新的な銘柄をリリースしております。

そしてこのブラン2000であります。

ただ作ってすぐに瓶詰めされる他のブランとは違います。
2000とヴィンテージの入ったブランは4年間ステンレスタンクの中で少しずつアルコール分を飛ばし、加水量をギリギリまで減らしてラム本来の香りを損ねることなく度数を下げ、最後の加水による度数調整もほとんど行わず通常の4~8倍の時間をかけて自然にアルコール度数を下げて瓶詰めした手間ひまかけたものであります。

アグリコール本来のエキス分、甘味が非常に豊かなブランです。

これで飲むアグリコールラムカイピリーニャは夏にもってこいで最高です。

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直訳すると三本川、自社の敷地に流れている3本の川に由来するお名前です。
現在はやはり変革の波に逆らえずフランス・ブルディヨン社の傘下経営となり蒸留所は稼働を止め、同グループ、ラ・マニー蒸留所で生産されています。

ですが旧蒸留所より蒸留塔などの設備をそのまま移設、その蒸留塔でそのままトロワリヴィエールだけを生産しておりますので、品質変わらずただ場所が変わっただけとも言えるかもしれません。

そしてこの1996年でございます。

この年にマルティニークはAOCに認定されました。

ボトルの包装も紙箱から立派な木製円柱型へ変更。
ラベルの赤色系(97以降青っぽくなった)の温かみも良く、なんだか色々トロワリヴィエールも変革、気合いを入れてきているのかなぁと考えた思い出あるボトルであります。

ですがその後トロワリヴィエールは蒸留所の閉鎖、吸収、熟成庫の大火事など、比べ物にならない受難、気合いを入れ直さなければならなくなる出来事が待ち構えていたのですが・・・

モルトラヴァ―からも人気の高い銘柄

旧蒸留所産のAOC初認定ヴィンテージ、いかがですか

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ソニービル

当店ご近所にあります言わずと知れた銀座のランドマークの一つです。

随分報道されたようですが取り壊しが決まったそうですね。

真夏に意味なく涼みに行ったりしておりました(笑)

道路挟んで反対の旧東芝ビル(現東急プラザビル)が無くなる時もそうでしたが発展の為といえやはり見慣れた物が無くなるのは少し寂しい気分になるものですね。

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1845年よりマルティニーク島でラムを生産している蒸留所であります。
J.Mとは創業者ジャン・マリー・マルタンのイニシャルです。
現在はやはり時代の波には逆らえず、クレマンやサン・エティエンヌなどを傘下に持つアイヨグループの経営です。

JMの最大の特徴は3つ「長期熟成」「徹底した熟成庫の温度管理」「加水をしない(カスクストレングス)」であります。

J.Mはビンテージラムを多くリリースしておりますが、この3つのの特徴によりビンテージ毎に異なる味わいをダイレクトに感じてもらえるよう考えているようです。

上記によりモルトファンも多い銘柄です。

ただ裏話として現地のある他蒸留所の方に伺ったところ熟成庫の温度管理はそのうちAOCに引っかかるんじゃないかなぁとも言っておられましたが・・・

写真見ずらくて申し訳ありません。
自身の確認も含めて並ばせて頂きました(汗)

左から1989、90,91、94、95、96、99、2000、01、02、03~05マルチミレジムになります。
ボトルによりますが10~15年熟成です。

ヴィンテージごとの味の違い、試してみませんか

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1887年医師であり当時ル・フランソワの村長だったオメール・クレマンが土地と工場設備を購入したのがクレマンの始まりです。

順調に業績を伸ばしフランス本国に初めてラムを輸出したり並行して炭酸飲料の会社を運営するなどマルティニークで最も競争力のある蒸留所の1つになりましたが盛者必衰ということなのでしょうか、段々と立ち行かなくなり1987年クレマン家は領地とアビタシオン、蒸留所とストック、ブランド名をアイヨ・グループへ売却いたしました。

現在はシモン蒸留所より原酒の供給を受けています。

その栄華残すエピソードにクレマン家のアビタシオン(領主の館)は当時のままに残されているため島を代表する観光スポットの1つとなっています。

さらにクレマン邸は1991年フランス国定文化財に認定。

同年には当時のアメリカの大統領ブッシュとフランスミッテラン大統領の対談も行われ、年間10万人の観光客が見学に訪れるそうです。

写真は左が1976右が1952です。
説明不要のヴィンテージプレミアムラムでございます。

時の流れに想いを馳せて噛みしめて飲むのっていいですよね。

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Jバリーとは創業者ジャック・バリーのお名前です。

彼はマルティニーク島において純粋なサトウキビジュースからラムを生産することを始めた最初の生産者の一人といわれています。

さらにアグリコール製法だけでなくラムをオーク樽で熟成させることを始めたり当時まだ希少であった独創的な三角型や四角形の瓶を使用し良質のラムができた年にヴィンテージをつけた最初の人間であるともいわれ、彼はまさに熟成アグリコールラムの創設者ともいえます。

ですが1987年突如蒸留を停止

現在はフランス・バーディネ社のセント・ジェームス蒸留所でブランド名、蒸留所設備、レシピ、職人、サトウキビ農園の全てを引き継いでJ・バリーを作り続けております。

現在蒸留所跡はバナナ農園になっており建物も残っていないそうです。

ということで写真の1982年です。

本来のJバリー蒸留所で作られた貴重な原酒ということになります。

よろしければお試しください。
勿論その他ヴィンテージももございます。

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1902年 マルティニークのモンターニュ・プレの大噴火により農園も砂糖工場も壊滅的な被害を受けるもビクター・デパズによって再建されました。
一つだけ良かったのは噴火により火山灰地質となったため表面は水はけが良く地中に良い水が溜まってミネラル分が豊富になり、とても良質なサトウキビが出来るようになりました。

ちなみにその噴火で元々の首都サンピエールも壊滅。
今のフォールドフランスに移動いたしました。

現在はディロン同様フランス・バーディネ社の傘下に入り世界的なブランドの地位を確立しています。

写真は左がキュヴェ・ドゥ・センテナリー・XO
2002年に蒸留所創業100周年を記念してリリースした限定ボトル

右がグランリザーブXO
オーク樽12年間熟成させたものです。

どちらもラムかコニャックか分からなくなるくらい(笑)
上質な飲み心地であります。