里帰り・・・
1791年、青年だったトーマス・ハインは固い決意の元イギリスのドルセットを旅立ち、フランス革命のさなかコニャック地方へと移り住みました。
外国人という身分ゆえ、スパイ容疑をかけられたり苦労するものの、コニャックの会社を経営する父を持つフランソワ・エリザベスと結婚、以後はコニャック造りに邁進していきます。
1822年にこの世を去るまでビジネスを繁栄させ、世界中でハインの品質が知られるまでに育てあげ、英国王室御用達にもなりました。
アーリーランデッド・コニャックとはフランス・コニャック地方で収穫、蒸留、樽詰めまでで止め、樽のまま英国に運び熟成、瓶詰めを行ったコニャックです。
このコニャックが熟成されたロンドン・テムズ川沿いの熟成庫は、熟成に最適な湿度などの諸条件が揃った理想的な場所ともいわれています。
またフランスAOCではコニャックにビンテージを入れるのは禁止されていますが、こちらは法律にかからないため「出来のいい年の葡萄」でつくられた1991年のビンテージしっかり入れられています。
「最高のビンテージ」と「最高の熟成条件」でしかつくられないのが“アーリーランデッド・コニャック”なのです。
トーマスの魂もテムズ川ほとりで優雅に味わっているのでしょうね・・・